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『起こし屋』を起こせ

11月30日(水) その2


やはり、若いころの話

例によって、仕事が暇な時の応援時の出来事



ずっと以前、まぁ現在でもあまり変わらないだろうけど
店舗の改装は、店の営業時間が終わった後に工事をしていた



店によって様々だが、例えば閉店が午後8時ならば
午後8時からスタートして、翌日の営業時間前に
工事を終わらせるというやり方であった



文字通りの短期決戦なので、案件によっては
驚くほどの、人数が投入された
文字通りの『戦場』状態だった



夜通し、突貫工事をして
翌日の朝の開店時間前には仕上げるという工事



しかし、小規模な工事ならそれで間に合うが
かなり大規模な工事の場合は、数日かかることもあった




例えば、午後8時から工事をして、翌朝9時にはいったん
工事を中断して、再び午後8時から工事を翌朝9時まで行う
職人にとって、まさに『体力勝負』の現場であった




では、午前9時から午後8時の間はどうしているかと言うと
少しは仮眠もするが、たいがいはその夜使用する材料の下準備をしていた



睡眠時間は、3~5時間あるかどうか
まさしく『体力』頼り



ある年、結構大掛かりな工事に、応援大工として呼ばれた
事があった。あまり気乗りしなかったが、、、



その年は、記録的な猛暑の夏だった
夜を徹しての工事も3日目に入ったが、昼間コーポに返っても
ほとんど暑くて寝れない、なんせ当時住んでいたコーポと現場の距離があまりにも遠い


エアコンはあったが室外機がまともに直射日光が当たるので
部屋の温度が下がらない、おまけに安コーポなので
気密性が最悪で、現在の高気密の住宅と比較すると、もう雲泥の差である




部屋に帰って睡眠をとろうとするのだが、国道沿いのこのコーポは
どこからこれだけ騒音がするのかと言うぐらいうるさくて、まともに寝れない
カーテンをしていても、部屋がやたら明るい。薄っぺらいカーテンは
ほとんど遮光なんか期待できない



疲れが取れないうちに、夕方部屋を出て、途中でパンとかおにぎり
とか買い求めて、夕食にしていた



4日目になると、私以外の職人連中も口数が少なくなり
頬はコケて、目がぎょろぎょろしてきていた



当時、現場には元請けは全く来なくて
2次下請けどころか、3次なのか4次下請けなのかわからん
監督が現場で指示を出していた


その監督の中で『起こし屋』と呼ばれる監督がいた



何をするかと言えば、文字通り『起こす』訳で
明け方近くになって、職人が『うとうと』しだしたら


その職人のヘルメットを叩いて
「こらっぁぁ、、起きんかい」と居眠りしだした職人を『起こす』役目である



なんせ、鋸やノミや電器丸鋸を使用しているわけで
使用中に『うとうと』しだしたら、大事故につながる


4日目の明け方、いつも口うるさい『起こし屋』監督の姿が見えない




どうしたのかと、姿を探したら、材料の搬入口の横で
膝を抱えて、眠りこけている



これを観た、丸刈りの(ちなみに眉毛も剃っていた)気の短い
職人が、一言叫んだ




ごらぁxtぅっ、、、



誰か、あの『起こし屋』監督を、、、起こせ

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バンザイ、、、ハウス

11月30日(水)


これも、ずっとずっと以前

独立したての、駆け出しの頃の出来事



独立した頃は、あるハウスメーカーの孫請けを
メインにしていたのだが



ハウスメーカーは、決算に間に合わせるため
かなりの無理をしても、決算月には引き渡しをする




そのため、決算明けの4月・10月は
むちゃくちゃに仕事が暇になる



ある年の10月、先月までの目の回るほどの忙しさは嘘のようになり
あっという間に、仕事のない10月がやってきた




例年この時期は、知人・友人の伝手で個人の大工さんの
応援として、日当払いの日雇い大工として働くことが多かった



この年の10月も、例によって日雇いの職人として
ある個人の大工さんの応援をした



この当時は、プレ加工での組み立てではなく
大工さんが、材木屋で木材を加工してくみ上げる方式であった


だから、大工さんの技術が『もろに』精度に反映した





とある年の10月、私は個人の大工さんが建てた住宅の
2階部分を任された


12月には引き渡しと引っ越しが決まっていたのだが
2階部分はまったく手つかずで、柱と間柱から、外が丸見え状態



手始めに、外部廻りのラス板(左官工事の下地)を取り付け
左官屋さんに防水紙とラス金網を取り付けてもらった



とりあえず、ここれで雨が降っても、室内に雨水が入ることはない
2階に床板を張り、開口部の『敷居』と『鴨居』の取り付けの作業に取り掛かった


敷居と鴨居の『ひかりこみ』(柱の癖を指金で材料にマーキングする行為)をして


『腰が抜ける程』驚いた



なんと、敷居と鴨居の『内法』が違うのである


当時は手作業なので
鴨居と敷居の長さが『五厘』(約1.6ミリ)ぐらいは違うことが、時々あるが



なんと『一寸』(約3センチ3ミリ)以上違うのだ


絶対にありえないことが、、、起こっていた



私は、、、、絶句して立ちすくんだ


しばらく茫然としたが
とにかく、原因を探すことにした


家の東西の中心の柱に『下げ振り』(垂直測る道具)を取り付けた
中心の柱は垂直に立っている


その後、3尺(間中)おきに柱の垂直を調べていったら
家の中心から東に3間の位置で(約5m46センチ)で3.5寸(約10センチ5ミリ)
さらに東に傾いていた


さらに調べていたら、家の中心から西に2間(約3m64センチ)の位置で
1寸7分5厘(約5センチ2ミリ)、西の一番角の部屋で 5寸2分5里傾いていた


すなわちこの家は 家の中心から東へ10センチ5ミリ
家の中心から西へ 15センチ7.5ミリ傾いていたのである



私は、このまま仕事をしたら大変な事になると思い
その日で、辞めさせてもらった


結局、この家は請け負った大工さんが完成させることは
できず(そりゃ~そうやろ)

長い間、雨風にさらされていた


音信不通になった大工さんからは
結局、日当はもらえなかった


まさしく お手上げのバンザイだった


家も、バンザイの姿をしていたが、、
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とても大きな『目標』

11月29日(火)



ずっと、ずっと以前
何十年も前



若き日、建築屋として独立した
駆け出しの頃の出来事



若き日、独立した頃の夢と言うか目標と言うか

とにかく、ガンガン働いて車を 『ベンツ』を買うぞと
やる気満々で、バリバリと働いていた




独立した最初の頃、バリバリの駆け出しの頃
ある案件の仕事の代金を『手形』でもらったことがある



『手形』と言うものを生まれて初めてもらって
しみじみとそれこそ『穴が開くほど』眺めていたことを思い出す


この『手形』と言うものは厄介なもので
現金になるまで、数か月かかるので



仕事が終わっても、現金になるまでの間
文字通り『忍耐』に一語で節約生活をした


晴れて期日を迎え、銀行に換金に行くと、見事に『不渡り』



狐に包まれたような顔をして
茫然と、もう価値のない『紙屑』を眺めていた



その後の生活は、凄惨を極めた


車はあったが、ガソリンを入れるお金がないので
現場までは、自転車で通った

片道2時間近くかかったと記憶する



ある日、午前5時を少し回ったころ
アパートから出ていくとき、アパートの北角にあった
ゴミ箱に、てんこ盛りの『キャベツ』が捨ててあった



私は、しばらく腐りかけた『キャベツ』をじっと見ながら



「よしっ」と自分に気合を入れた
そして心の中でつぶやいた




バリバリ働いて、ガンガン稼いで
『ご飯』をお腹いっぱい食べて
『具』のいっぱい入ったお味噌汁を飲むと




固く、、、心に誓った
ほんのり苦い、若き日の思い出
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新シリーズ、?

11月29日(火)


大量の空売りを処分していないので


売りも買いもできない



株のブログですが、取引内容を
書くこともないので(動きがあるまで、)



昔話でも書こうと思う(主に現場の話)


なるべく、一話完結にして


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『鉄人と呼ばれた男』第3部 ~消えた花嫁~ 最終回

11月27日(日)

最終回



    ~そして、誰もいなくなった~



結末はあっけなく訪れた


なんと『失踪』したはずの嫁さんが自ら現れたのだ
これには関係者全員が『唖然』とした


そして、全員が思った
何故、姿を消したのか?



この彼女は、そもそもお見合いには気乗りがしなかった
しかし、ズルズルと流れに飲み込まれ、結婚と言う形になったのだが



ただでさえ気乗りしないのに、結婚した相手が『奇人・変人』のような男で
彼女の中で『葛藤』と『後悔』と『諦め』がごちゃ混ぜになり


結婚そうそう、うつ状態になった
さらにとどめが『食生活』であった



性格の不一致での離婚は、世の中にどこでもあるだろうが
『食生活』の不一致は、おそらく珍しいだろう



なんせ相手は『なんでも』食べる男である


基本は、ビールとちくわ、かまぼこである
『イナゴ』の佃煮なんか大好物と言うツワモノである




床に新聞紙を引いて、ビールを飲みながら、
『イナゴ』をうまそうに食べている姿を見ていると




彼女の頭の中には『絶望』の二文字が駆け巡った



警察沙汰までなったのは、まず第一に何も告げずに出ていったこと
第二に、例の窃盗犯の証言である、結局窃盗犯は誰かに罪を着せようと
狂言芝居をしただけである



ではなぜこの『鉄人』大工の名前が出てきたかであるが
簡単に言うと、この『鉄人』大工は顔が『半端無く』インパクトがあるので
こいつがやったといっても、なんの先入観がなく話がでっち上げられると考えたらしい



嫁さんはまさかこんな大事になるとは思わず
発作的に出ていったが、事が大きくなりすぎて出るに出れなくなり



最終的に、知人に付き添われて出てきたのだ



これで、『事件』は一応終わった



しかし


『事件』は終わったが
関係者全員の『人生』は変わった



嫁さんは、結局協議離婚
その後、以前から付き合いのあった男性と暮らしたが
男は既婚者で泥沼の不倫劇の末、今度は本当に姿を消した




『鉄人』大工は解雇され、知人を頼って『直島』と言う島(瀬戸内海の島)にわたり
建築関係の仕事を続けたが、ある日『釣り』に行くと告げたまま、行方不明になった
堤防に、釣り竿と所持品と、相当数のビールの空き缶だけが残されていた
新聞のローカル記事になったが、警察は酒に酔って海に落ちた可能性がある
と発表(現在でも行方不明のまま)した



心身とも疲れ果てた工務店の社長は
『事件』解決の後、数日もたたないうちに心筋梗塞で
この世を去った。そして工務店は倒産(自己清算)した



職人連中は、バラバラになりそれぞれ違う工務店に
生活の場を移した



私は、知人の紹介で、あるハウスメーカーの孫請けとなった
まがいなりにも、一人親方として独立した



あれから数十年



私は、現在無職


『トランプラリー』の逆張りで


大量の空売りを抱え




踏み上げの地獄の中
トレードの舞台から消えようとしている、、、

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『鉄人と呼ばれた男』第3部 その4  ~消えた花嫁~

11月26日(土)

その4


『鉄人』大工が警察で取り調べを受けたのは
『鉄人』大工の家に乗り込んだ、わずか1ヶ月後だった




『失踪事件』として事情を聴かれたのだ
『容疑者』ではなく『参考人』だった



刑事が現場に来て、簡単な聞き込みがあった
しかし、何を聞かれても私たちには、なぜ嫁さんが『失踪』したのか全く理由がわからない



現場の職人連中は、まさに他人事のごとく、刑事の質問に
「そりゃ~ 食べたんでしょう」
「空を飛ぶコウモリを、ジャンプして食べた」とか
「狐より狸がうまいと言っていた」とか、好きな事喋りだしたら



二人組の刑事の若い方が『キレて』イラついた様子で
「あんたらなぁ、、真面目に答えやぁ」と上から目線で睨みつけながら言った



当の本人は、警察での『任意の』取り調べで
ただ「知らん」「知らんうちに消えた」と繰り返すだけで
『証拠不十分』だったのか、無事に自宅に帰ってきた



この事態に『もっとも』仰天したのは、元請けのハウスメーカーだった
なんせ、増改築のロウソク事件、入院先の事件とたて続けに問題を抱え、ほとほと頭を抱えていたのだ、結局元請けの圧力でこの『鉄人』大工は工務店を『解雇』になった



何故、警察沙汰になったのか?



実は、まったく違う事件で窃盗犯が逮捕された
窃盗の常習犯で、余罪を調べていくうち、自宅から押収された物品の中に、この『鉄人』大工の嫁さんの『血が』付着したハンドバックが出てきた。刑事が追及したら、このコソ泥は『鉄人』大工から買ったと供述したらしい、このコソ泥は以前『鉄人』大工と同じ職場の同僚だった


私は、信じられなかった
確かに今まで色々と問題を起こしたが、直接人に危害を加える事はない
唯、間接的に多くの人に迷惑はかけたが



現場の職人たちも同じ意見だった
『あいつ』はさすがに犯罪は犯さんやろ、、、と言うのが
大方の意見だった



そして


この出来事の後

私も、工務店の社長も、現場の職人も
そして『鉄人』大工も、思いもよらない結幕が待っていた



その5に続く
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『鉄人と呼ばれた男』第3部 その3 ~消えた花嫁~

11月24日(木)

第3部 その3



「嫁さんが消えた、、」と社長は言った


私は
「はっ?」と思ったが
「たぶん、息抜きで実家に帰ってるんでしょ」と言った



社長は、低くため息をつきながら
「実家から、、」と言って、わずかに間を置き
「実は、実家から連絡があった」
「娘と連絡が取れないらしい」と言った


「・・・・大工本人には聞いたんですか」と私が言うと

「いや、、、まだや」
「先日、家に行ったとき、いなかったが車がなかったので、てっきり買い物かなんか行ったと、思い込んでいた」と言う

「まさか、行方不明とは、、、」



社長は見合いの話を持ってきて、仲人までしたので
さすがに、ショクを受けているようだった


「社長」と私は言った。続けて
「もし、誘拐やったら大変な事ですよ」
「警察にとりあえず相談に行きましょう」と言うと



「アホか、誘拐か失踪か家出か、まだ内容がわからんのに、あほ事と言うな」と、かなりイラついて私に言った 


「とにかく、実家の親御さんが心配している以上、このままにするわけにはいかん」と言って
「ぜんは急げや、これからあいつの家に行くから、お前もこい」と言う


「はっぁ? なんで私がついていくんですか?」と言うと

「あいつは普通と違うから、何があるかわからん」と言う


私は『普通と違う人間』を最初から雇うな、と思ったが
まぁ、怖いもの見たさで同行することにした



私は社長と現場を後にして、1時間後には
『鉄人』大工の新居のインターホンを押した


『鉄人』大工の居間のテーブルの椅子に腰かけて
「ところで」と社長が単刀直入に切り出した



「おい・・・・・・よ、単刀直入に聞くけど」と社長は口を開いた
「・・・ちゃん(嫁さんんの名前)はどこに行ったんや」
「正直に言えよ」と、まるでテレビの刑事ドラマのように切り出した



『鉄人』大工は、普段と変わらない口調で言った




「食べた」とボソッと、言った



『ゲッホ・ゲッホ、、、ゲホ、、』私は飲みかけのお茶を口から噴き出した


お茶は、隣に座っていた社長の上着に降り注いだ

私は、社長の顔を見た

『ポカ~ン』と口を半開きにして、マネキンのように動かなかった

私は社長の顔から血の気が引いていくのが『ハッキリ』と見て取れた



「冗談や、、、冗談」鉄人大工は、何事もなかったように言った



ある冬の寒い夜、、


私は、ふいにセミの鳴き声が聞こえた


その鳴き声は、私の頭の中で大音量で鳴り響いた


第3部 その4へ続く
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『鉄人と呼ばれた男』第3部 ~消えた花嫁~ その2

11月22日(火) その2

第3部 その2  ~消えた花嫁~


式も無事終わり、晴れて所帯を持った『鉄人』大工は
式の前後に3~4日休んだだけで、現場に出てきた


現場の職人連中は
「おい、新婚旅行はどうした?」と怪訝な顔で尋ねた



『鉄人』大工は、ぼそっと「めんどくさい」と一言で切り捨てた


現場の誰もが『あっけ』にとられたが
こればかりは、個人の考えなので、本人が決めたことなら
どしようもない、それこそ『勝手にしろ』状態だ



平々凡々と月日が流れるかと思いきや
そうは問屋が卸さなかった



式から2ヶ月もしないうちに『異変』は起こった

式から2か月後、年が変わった1月


ある日の夕方、現場で帰宅前のかたずけをしていると
工務店の社長が現れた


現場に入ると「おい、お前一人か?」と聞いたので
「はい、他の人はさっき帰りましたが」と答えた



「そうか」と言って
「実はな、少し気になることがあってな」と切り出した

私は「なんですか?」と言うと



社長が、重く低い声で、ぼそっと言った
「消えた、、、、」



私は「はぁぁぁっ?」と聞き返した。続けて
「何が消えたんです?」と言った


わずかな沈黙の後、社長が口を開いた
「消えた、、」 「あいつの嫁が、、、消えた」



私は最初言葉の意味が理解できず

ただただ、社長の口元をみていた




その3へ 続く
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『鉄人と呼ばれた男』第3部 ~消えた花嫁~

11月22日(火)


~消えた花嫁~ 第3部 その1 



「・・・・・大工は結婚することになった」事務所で社長が言った
続けて「まぁ、あいつも身を固めたらまともな生活を送るやろ」



「ふっ~」とため息をつきながら
「ロウソク事件の後に、アレやろ」という



『アレ』とは食中毒の入院での『事件』である



「俺も、さすがに疲れたわ、、」
「結婚すりゃ、少しは落ち着くやろ」
社長は、ふぅ~とため息をつきながら首を左右に振りながら
誰に言うともなく、呟いた



『お見合い』を段取りしたのも、社長であった
さすがに、結婚すれば落ち着く、、いや『落ち着いて』ほしかったのだ


見合いは形式的で、ほとんど『出来レース』だった

見合いと、式の段取りが並行して行われた



トントントンと順調に話は進み


ある年の11月、晴れ渡った青空の下
無事式は終わり


晴れて『鉄人』大工は、妻を迎えた



誰もが喜んだ
誰もが、もう『変な事件』は起こさないだろうと確信した 




しかし



わずか数か月後に


『最後の事件』が起こった




第3部 その2へ続く
 
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『鉄人と呼ばれた男』第3部 ~消えた花嫁~ その1

11月21日(月)


『鉄人と呼ばれた男』第3部  ~消えた花嫁~ シリーズ その1


第3部 ~消えた花嫁~ シリーズ
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『鉄人と呼ばれた男』第2部 最終回

11月20日(日)


第2部  最終回


『鉄人』大工が入院してから、この病院では
『何でも』食べる男として気味悪がられた


そして、ある事件が起こった



病院の『備品』が忽然と消えたのである
『備品』と言うのは、表現が正確ではなく




正確には、産業廃棄物である
もっとわかりやすく言えば、手術用の使用済みの手袋
使用済みの点滴セット、注射器と針が




本来ならば、正規の手続きを踏んだ上で
処分されなければならない、これらの『廃棄物』が忽然と消えたのである



きわめて、重大な事件である


完全に病院の落ち度であるはずのこの事件が
ある人間の、証言で異常な事態へと変化した




『鉄人』大工と同室の入院患者が
『くちゃ・くちゃ』と手袋らしきモノを食べていたと、看護師に言ったのである



本来ならば、最初から相手にされないこの『バカバカしい』話しが
瞬く間に広がり、病院側も『半信半疑』ながら、聞き取りをすることになった



ひとり身で、身内もいないこの『鉄人』大工の身元引受人として
急遽、工務店の社長が病院側と対応した



社長は、烈火のごとく怒りだして



「ふざけんなぁ」と逆上して
「人を馬鹿にするなよ、ごらぁぁ」と吠えだした



「確かに、手袋は食べることはあるかもしれんが」と前置きして
「どこの世界に、注射器と針食べる奴がおるんや」
「あんたら、常識で考えや」と大声で怒鳴った



そして「白黒させようや」と言って



病院の事務方に
「今すぐ、レントゲン撮れ、こらぁぁ」
「何も映らんかったら、ただじゃすまさんで」




そして続けて
「手袋は、、弁償するが」と言った




廻りにいた、全員が凍り付いて


誰一人として口を開くものはいなかった




喚き疲れた社長は、赤黒くなった顔を上下に
振りながら、はぁはぁとしばらく肩で息をしていたが




しばらくして、少し落ち着いたのか


小声で、ぼそりといった

「たぶん、なにも映らんと思う、、、、たぶん」




おそらく

世界中の時は止まり
音も色も、そして空気さえも凍りついた


数十年前の出来事



第2部 終わり
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『鉄人と呼ばれた男』第2部 その3

11月19日(土)


第2部 その3


『鉄人』大工が入院して、数日後から
早くも異変が起きた



驚異的な回復力で
点滴以外にも固形物を食べだしたのだが




食事後の痕跡がないのである
具体的にどういうことかと言うと




魚の煮つけの後の骨がない
ミカンの後の皮がない
リンゴの後の芯がない



極めつけは、バナナであった
バナナを食べた後に、、、、皮がないのだ



つまり、食べた後に何も残らないのである




これには、同室の入院患者たちも
病院の看護師たちも、気味悪がった



そして、さらに数日後
室内履きのスリッパの片方が、、、消えたのである



ただ、無くなっただけなら
誰かが間違って履いていったで事は収まったのだが



スリッパの片方だけが、忽然と消えたのであった



本来なら、問題にすらならない、このスリッパ盗難事件を
大事件に押し上げたのが、『鉄人』大工であった




なんと、無くなったスリッパの片方の、さらに半分が
食いちぎられたような状態で、『鉄人』大工のベッドのゴミ箱から
出てきたのだ



大部屋の患者たちと、看護師がゴミ箱の中から出てきた
スリッパの破片を、目を見開いて確認したところ



明らかに、人間の歯形らしきものが『くっきり』とついていた



この『事件』は瞬く間に・・・・・病院内に広がった



看護師たちを、恐怖の世界に導いた、この『鉄人』大工は



とうとう、ある事件の犯人として『容疑』をかけられた


常識では、絶対ありえないことで

これは、完全な『冤罪』であったが


『鉄人』大工は、罪をなすりつけられたのである



彼は完全に 被害者であった


第2部  その4へ続く
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『鉄人と呼ばれた男』第2部 その2

11月18日(金)


第2部その2



そもそも、『鉄人』大工が食中毒で入院したこと自体『事件』だった



石を食べても皿をかじってもなんともない男が
入院なぞするわけがないというのが、皆の共通した考えだった



事の始まりはある日の夕方、新聞の集金に訪れた男が
玄関に立つと中でものすごい音がしていたのを不審に思い




室内に入ってみると
『鉄人』大工が床をのたうちまわっていた




一瞬何事が起ったかわからず、集金人は硬直したまま
床をのたまわる『鉄人』を凝視していたが




すぐさま我に返って、近所の家に駆けこみ
119番通報をした




救急隊が到着したときは、白目をむいて
時折、体が痙攣していたという



痙攣しても、食いかけのちくわは口にくわえていたという



救急病院に搬送されたときは
もう手遅れだということだったが




驚異的な生命力で持ちこたえた


応対した医者は
「運ばれたときは、正直もう駄目だとおもった」と言いながら
「ある意味、助かったのが不思議ですと」首を傾げた



食中毒の原因は『賞味期限切れの』かまぼこ・ちくわを食べてことによる中毒
桁違いの『賞味期限切れ』だった



『鉄人』大工は、石を食べた・皿をかじった・日本手ぬぐいよりタオルの方が
うまいと、現場で言っていた



その人間が、食中毒になるのか?
誰一人納得しなかった





『鉄人』大工はベットの上で
長い日数点滴で生命を維持していた




ある日、大部屋の他の入院患者が
まだ、食事ができないはずなのに、常に『鉄人』が口をもぐもぐさせて
いることを不思議に思い、尋ねた



「・・・・さん、食事まだ無理やろ」
「何食べてるねん? ガムか?」



鉄人は
「口から、あるものを取り出して」
「これやと」その患者にみせた




それは ストローだった




そして、病院の看護婦(看護師)さんたちは
ある不思議な出来事がささやかれるようになった




その3へ 続く
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『鉄人と呼ばれた男』第2部 その1

11月17日(木) その1



『鉄人と呼ばれた男』 第2部 その1



「・・・・大工が入院した」朝現場に来た工務店の社長が口を開いた

「・・・・・大工」とは、例の『鉄人』大工の事である



当時は今ほど安全に関心がなく
『怪我と弁当は自分持ち』という考え方であった




だから、怪我や入院は別段珍しい事もなく

みんなは『ふ~ん』ぐらいに聞いていた



誰かが、軽い口調で聞いた
「社長、・・・・・・大工、、怪我か?病気か?」



社長は大きく息を吸い込み
首を左右に振りながら、答えた
「なんと、食中毒や、、、」



その言葉を聞いて
現場中、ハチの巣をつついたほどの大騒ぎになった



誰かが呟いた
「あの・・・・大工が」
「石をかじっても、皿をかじっても、腐った豆腐食べても、、、なんともない・・・大工が」


現場にいた誰もが、あっけにとられた




口に入るすべてのモノを食べる・・・大工、腐った牛乳をゴクゴクとうまそうに飲む、、、あの鉄人が、、、



誰かが言った、、、



ありえない、、と




そして、『鉄人』大工は入院先の病院で『伝説』を残すことになるとは



皆、、薄々感じていた、、




その2へ続く
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『鉄人と呼ばれた男』第一部 最終回

11月16日(水) その7


第一部 最終回


『鉄人』大工の話をまとめると、、、



この『鉄人』大工は、朝起きるととりあえず
缶ビールをひと缶開ける


寝起きの水のごとき
寝起きのビールである


それからさらに、2本目のビールをちびちびやりながら
朝飯の支度である(ちなみに独身)


朝飯は、ビールとおかず(カマボコ・ちくわ)
ぐいぐいと2~3本は飲み干す



その後に、食後の1本を開けて
仕事に行く、ちなみに運転中も、もちろん缶ビール片手に持って、、



しかし、今回は違った
現場があまりにも近いので、運転中に飲む予定のビールを
部屋でちくわを食いつきながら飲んでいた



何本飲んだかわからないほど飲んで
ぼちぼち、現場に行こうと、、ふと目をやると




飲み残しのビールがある
冷蔵庫に持っていくのがおっくうになって


ええい、、、全部のんでやれと
続々『プチッと』開けていて、気が付くとなんだか騒がしい



ふと我に返ったら、私たちが目の前で口を半開きにしていた、、



と言うのがこの『鉄人』大工の話である
意識が飛んでいたのは全く『記憶』にないらしい




私たちは、あっけにとられて聞いていた


そして、一番年配の職人が
「おい・・・・・よ(鉄人大工の名前)」
「お前、何本飲んだんや?」
「意識が飛ぶほど飲みやがって」とかなりきつく言った




すると『鉄人』大工は少しむっとした表情で
「そんなに飲んどらん、、」続けて
「そこにあるだけや」と言って紙のケースを指さした


そして、呟いた
「俺も歳や、、」
「20本ほど飲んだら意識が無くなった、、」


そして溜息交じりに
「若いときは、20本ぐらい飲んだら調子がでてきたのに、、なぁ」




そして、大きくため息をついた



私は、じっと『鉄人』大工の話を聞きながら思った






仕事に行く前に


ビール20本飲む、、




この男って、、、、、、人間か?
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『鉄人と呼ばれた男』第一部 その5

11月16日(水)  その6


第一部 その5


「ぎゃ~、、」と先頭の職人が悲鳴を上げた

その声で私も目を閉じ肩をすくめた



何事が起こったのかと言えば
死んだと思っていた『鉄人』大工が、なんの前触れもなく


むくっ、、、と顔を上げたのだ


そりゃ~、、怖い
なんせ、普段でも真っ黒な顔している上に
顔全体が四角で、おまけにエラが張っている



「心臓が、、心臓が止まる、、」と言いながら

先頭の職人が震えていた


起き上がった『鉄人』大工は
「はぁ、、なんやアンタら何の用や?」と言った



私たち3人は凍り付いた
ただでさえ、宇宙人のような風貌の人間が、、おまけに
死んだと思っていた人間がふいに(何の前触れもなく)起き上がったのだ


死体を確認しようと行った人間が
危うく心臓発作で死ぬところだった、、、



口を半開きにした我々3人を
不思議そうに『鉄人』大工が見上げていた、、、



なぜこんな事になったのか?
何故、床に倒れていたのか?、、



『鉄人』大工から話を聞いて
私たちはあっけにとられて、、唖然とした




完全に常識を逸脱した行動が原因だった



第一部 その6に続く
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『鉄人と呼ばれた男』第一部 その4

11月16日(水) その5


第一部 その4


私たちは窓越しにしばらく凝視していた

「死んでるんやろか?」一緒に行った職人が口を開いた

「、、、、、」誰も答えなかった



一番年配の職人が
「ここで見ていても始まらん」
「とにかく部屋の中に入ろう」と言って、さらに
「勝手口が開いてるかもしれん」と言った



私たちは家の北側に廻り、
古い木製のドアのドアノブをゆっくりと回した



『カッチャ、、』っと音がし、ドアはあっけなく開いた。



私たちはゆっくりと部屋の中に入った


急に心臓の鼓動が早くなってきた
心なしか『ゴクリ』と喉が鳴る音が聞こえた




私たちは一列になりゆっくりと足を進めた



古い借家の床は、私たちが歩くたび
『ギィ、ギィ、、、』ときしむ音がした



その音を耳にするたび
背筋が、ぶるぶると震えた


誰一人言葉を発するものはいなかった
背中を丸め肩をすくめ、わずかに手を前に出しながら進む



そして、『鉄人』が倒れている部屋の入り口からそぅと、、、
部屋の様子をうかがった



私は、一番後ろについていたのだが
一番前の職人が




いきなり大声で




「ぎぃぃゃゃゃ~」と悲鳴を上げた





第一部 その5へ続く

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『鉄人と呼ばれた男』第1部 その3

11月16日(水) その4


第一部 その3



「たx、、、たっ、、大変や~」
私は現場に戻り、車から降りると同時に大声で叫んだ


職人連中は全員私の方を見た


「大変や、、」
「たいへんやで、、」私は息を切らしながら何度も繰り返した



「何が大変なんや?」
「ところで、あいつ家にいたんか?」と年配の職人が言った



「いるのは、いるけど、、」
「大変なんです」と言うと



「アホ、何訳の分からん事言ってんのや、」
「いるのか、いないのかどっちや?」と少しイラつきながら職人がいう



「いるんですが、、」一呼吸おいて
「倒れてるんです、、部屋で」と私は言った




「なんや、それ?」と別の職人が言った


「倒れてるって、、」
「まさか死んでるんと違うやろな?」と誰かが言った



「さぁ、、それは、、」
「死んでるんか、生きているんかわからんのです」と私が言うと


「なんやそれ、お前何しに行ったんや?」
「そのくらいわかるやろ」と年配の職人があきれたように言った



「実は、気が動転して、部屋に入ってないんですわ」と言うと



別の職人が
「鍵かかっていたんか?」と聞いてきた



「それが、、、」
「玄関はしまってたけど、、」
「勝手口とか窓とかは確認してないんですわ、、」と私は言った



「なんや、それ」誰かが私を馬鹿にしたような口ぶりで言った。



しばらく沈黙が続いた後


「どちらにしても、こりゃ~ヤバイで、、」
「とりあえずあいつの家に行って、やばいことやったら警察と救急に連絡やな」
年配の職人は腕を組みながら、
自分の言葉に納得したように、2度3度首を縦に振った




その職人は私の方を見ながら
「俺とお前、、それともう一人お前もこい」と別の職人を指さした



「もしかしたら、連絡で動き回ることになるかもしれんので、車3台でいく」



「すぐいくで」と言いながら
「お前、先頭を走れ」と私に言った




そして、再び『鉄人』大工の家に戻った




3人は、そうっと窓越しに部屋の中を観た



何も変わっていなかった




静寂の中



同じ場所で、同じ格好で『鉄人』大工は
うつぶせに倒れていた、、、



その4へ 続く
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『鉄人と呼ばれた男』第1部 その2

11月16日(水) その3


第一部 その2


ある日、その『鉄人』と呼ばれた大工さんが
現場に来なかった



携帯がない時代で、事前に会社の
事務所にも連絡はなかった


最初は「ふ~ん」ぐらいの感じだったが




しばらくして、一番古参の職人が

「なんか、嫌な予感がする」と言い出して、続いて
「おい、・・・・・、お前様子を見てこい」と私に言いつけた




私は当時20歳、大工を初めて1年ちょとの若造だった

「また俺かよ、、、、」とぶつぶつ言いながら
私は車を走らせた



現場から、その職人の家までは距離はそれなりのあったが
なんせ、田舎の田んぼの農道を一直線
信号機も無く、ほんの2~3分の距離



田舎の何にもない田んぼの一本道
しばらく走ると、古びた平屋の借家が見えてきた



車はあるので、どうやら家にいるようだ
私は車を停めて、玄関を叩いて
「すいませ~ん」
「・・・・・さん、俺ですけどいますか?」と言った





返事はなかった
あたりは静まりかえり、人がいる気配はなかった



いないのかな? と思いながら
窓越しに、部屋の中を見た



『鉄人』大工は、部屋の中にいた



いや、正確には倒れていた



居間の中央にうつぶせになって
体をくねらせた格好で、倒れていた


「マジかょぉぉぉ」私は背筋を震わせながら言葉が出た




こりゃ~ヤバイと思ったが
どうしていいのか、わからなかった


私は、頭の中が真っ白になって


ただ、ただ、立ちすくんだ





その3へ 続く
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『鉄人と呼ばれた男』第1部 その1

11月16日(水) その2


第一部 その1


ずっと以前、私が独立する前
ある工務店に職人として雇われていた時の話


私が雇われていた工務店には『鉄人』と呼ばれた大工さんがいた



農業をしていて、その後数えきれないほどの職業を得て
35歳で大工になった。
頑丈な体つきで、最初見たとき土方かトラックの運転手かと思った



身長185センチほど 頑丈な体つき 顔は浅黒く(と言うよりほとんど黒く)
顔は全体に四角で、後ろから見たらエラが飛び出ている




実は、宇宙人ですと冗談を言っても
冗談ととらえない人もいそうな風貌であった



世の中には、ビールなんかお茶代わりと、豪語する輩は
ごまんといるが



この人は、ビールはお茶替りではなく
ビールはお茶であった



すなわち、飲酒運転の定義が完全に歪んでいて
ビールを飲んで、もっとわかりやすく言ううと



ビールを飲みながら車を運転して、なぜ飲酒運転になるのか
まったく理解できない人であった。



そして、ある出来事が起こった



その2へ 続く

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『鉄人と呼ばれた男』 三部作

11月16日(水)



新シリーズ

『鉄人と呼ばれた男』三部作



それでは第一部から


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『あの人なら、やりかねん、、』その3

11月15日(火) その4



続き


少しの沈黙の後、社長が言った
「実はな、あの大工食ったのはお供えの菓子だけと違う」
「なんと、、、」



私は社長の次の言葉を待った

「なんと、、、」
「あいつ、菓子と一緒にローソクまで食ったそうやで」
社長は、半ばあきらめ口調で言った。



「、、、、、、」私は絶句した
絶句したというより、言葉が出てこなかった。



菓子とローソク、、この二つが
私の頭の中でどうやっても結びつかなかったのだ


ただ、ただ、私は黙っていた。



社長は「おい、・・・・君。聞いているんか?」と言った



私は言った。
「あの~、、社長。今飲んでますか?」
「ビールか酒でも飲んでますか?」




社長は
「はぁつ? なんやそれ?」
「どういう意味や?」と聞いてきたので




私は、
「社長、どこの世界にローソク食べるアホいてますか、、」
「食べるわけないでしょう、普通」と言うと



社長は口調を荒げて
「なんやと、ウソ言うてどうする」
「わしは、今飲んでるけど素面や」という



飲んでるけど素面とは
日本語がめちゃくちゃ、、、や


「ただ、間違ってろうそくを一緒に捨てただけでと思いますよ」
「確かにあの人は、見た目が原始人みたいな感じですが、いくら何でもロウソクなんか食べるわけないでしょう、お客が話ついでに言っているだけでしょ」と私が言うと




社長は
「人は見かけが9割や」
「あの顔ではロウソク食べたといわれても仕方ないやろ」と言う



私は
「社長、あほな話は止めてくださいよ」
「そもそも、ロウソクの話は本当なんですか?」
「客の作り話でしょう」と言うと



社長は
「アホ、わしはさっき元請けとお客の家に誤りに言ってきたところや、その時ロウソクを見せられたんや」とかなり強く言ってくる



私は
「あほらし、、客がミカンの皮の中にロウソクを入れたんでしょう」と言うと



社長は
「そのロウソクになぁ」と言って、一呼吸置きながら






かなり大声で
「ロウソクに、歯型があったんや、、あのアホ大工が」









私は、大工がロウソクをかじる姿を想像した




そして思った



あの人やったら





やりかねん、、、
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『あの人なら、やりかねん』 その2

11月15日(火) その3


続き


「実はな、、、」社長は急に神妙な言い回しになり
「今日、・・・・大工が1階の東の和室で作業したやろ、、」



「そうですけど、、何か?」私は言葉を返した


社長は少し声を落として
「あの和室、ずっと・・・・大工が帰るまで一人で仕事をした」
「でっ、、、、」と続けて

「和室の東の仏壇置き場、、、」
「仏壇にお供えしてあった、、」
「お供え物の、お菓子と果物が消えた」



私は、最初何を言っているのか
意味が解らなかったけど、
要するに、仏壇のお供え物の菓子を盗んだと思われたのだろう




私は
「それは、お客さんの思い違いで」
「今日は工事初日なので、バタバタして忘れたんでしょう」と言った




社長は
「いや、俺も当然同じことを言ったよ」
「ところが、、、」


「ところがどうしたんです?」私は尋ねた



「お供えしたのは、間違いないと言い張り」
「さらに、、」と続けて


「なんと、お供え物のミカンと梨の皮があったらしい」
「要するに、食べ残しの皮や、、」



「しかし、、」
「それで、犯人扱いはおかしいと思うけど」と私が言うと




社長は
「確かに、その通りやけど、お客がキレたのはそのことより、異常な行動があっての事らしい」と言った




私は、それ以上異常な行動ってなんや? と思った
他人の家で、仏壇のお供え物食べた時点で
すでに立派な異常者やで、、、と思った



私は、電話の受話器を握りながら
頭の中で、これ以上異常な行動って、、、と




頭の中で、言葉がぐるぐると廻った




続く、、、

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『あの人はだったら、やりかねん』

11月15日(火) その2


唖然とする出来事 その3



私は社長に言った
「社長、先に言っておきますけど」
「私は、いや、、ほかの大工連中も盗みなんかしてませんよ」



社長は
「いや、君がやったなんか一言も言ってないやろ」 と言う



「じゃあ、なんで電話してくるんですか?」
「電話して聞いてくること自体、疑っている証拠でしょう」 

私は、会話しながらだんだんと腹の中が『沸騰』してきた




続けて
「そんなに信用できないんやったら、クビにしてくれ」
「いや、こちらから辞めさせてもらいますわ、」
「こんなに、信用されていないとはおもいませんでした」

私は、かなり感情的になった





社長は
「おい、少し落ち着け、、」
「誰もお前が犯人やといってないやろ」 さらに続けて
「・・・・・大工がやったと、お客が言ってきている」
「だから、お前のところに電話したんや」


社長も少しイラついて、早口になってきて



「すまんが、お前・・・・大工のところに電話して聞いてみてくれんか?」


私は
「社長が直に聞けばいいでしょう」
「なんで、私が聞くわけです?」
「関係ないでしょう、、」




「それが、、、、」 と社長は少し低い声で
「かなり、特殊なことなんで、、、」
「・・・・大工と一番仲のいいお前に頼みたいんや、、、」と言う



「はぁx?」 と私は思った。何が特殊なんやろ?
腑に落ちない、、



「何が特殊なんです?」
「そんなに高級品が盗まれたんでですか?」
「100カラットのダイヤですか? 現金100億ですか?」



私は、ワザとに意地悪な質問をした
しかし、、、特殊なものってなんやろ、、、?



私は、社長に聞いた
「社長、その特殊なものって何ですか、、?」



社長は答えた

私は、その言葉を聞いて 絶句した  

電話の受話器を握ったまま  凍り付いた




その4へ 続く

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『実は、、、、』

11月15日(火) その1


唖然とした出来事 その2


 
工務店の社長は、重苦しい言葉で
「実は、・・・・・大工が大変な事をしでかしてくれた」


そう言って、社長は一人の年配の大工の名前をあげた
その大工は、私と懇意だった




私は無言で、社長の言葉を聞いていた




社長は続けて
「先ほど、元請けの担当者から電話があって、、」
「そりゃ~ 手が付けれないほどの勢いで、喚き散らかしてきた」




「何を言ってきたんです?」 私は尋ねた


「実は、、、」 社長は少し間をあけ



「消えた、、」
「いや、無くなった、、、」 と言った



私は、その言葉尻を聞いて
こりゃ~、窃盗事件やと感じた、と同時に
これは、現場にいた全員が疑われるなと感じた



私は重ねて尋ねた
「何が無くなったんですか?」
「財布ですか? モノですか?」





その3へ 続く

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『大変な事に、、、、』

11月14日(月) その3


唖然とした出来事



ずっと、ずっと、以前
まだ私が独立する前で、ある工務店に
職人として雇われていたころの出来事



かなり以前なのでいつ頃の時代か
よく思い出せない



結婚して2~3年たった頃の出来事だったと思う



当時私は、独立する前で
ある工務店に大工職人として雇われていた



季節も少しおぼろげだが、冬ではなかったと思う
秋頃だったかなぁ



私が雇われていた工務店は、あるハウスメーカーの下請けで
室内の改築の仕事をしていた




営業の打ち合わせ時点で、お客とトラブルになった現場で
何とか契約に持ち込んだという、最初から『ケチ』のついた案件であった




室内の改築であるから、当然家の中にはお客さんがいる訳で
気を遣うのだが、なんせ契約時点でトラブルを抱えてていたので



私たちも、かなり神経質になって仕事をしていた



仕事初日から『重苦しい』空気が漂う


朝いちばん
私たちが 「おはようございいます」とあいさつするのだが


お客さんは「・・・・・・・」無言


仕事初日から
「こりゃ~ 先が思いやられる、、、」と
大工連中と話し合っていた




まぁ、何とか初日に仕事が終わり
『ヤレヤレ』と言う感じで家に帰り、お風呂に入り食事をして、、



家族とテレビを観てくつろいでいると


「り~ん・り~ん」 と黒電話が鳴る


当時、携帯電話はほとんど復旧していなくて
一般の人は持っていなかった
確か高級車に取りつけられていたような、、
(確かバカでかいカステラの箱ぐらいの大きさだった)





私は、黒電話を取ると
「もしもし・・・・ですが」と言うと


相手は工務店の社長だった




結構興奮した口調で
「おい・・・・・・君」と私の名前を言うと続けて



「大変な事になった、、、、」 と言った





その2へ続く
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現場の話 ・ アフターの話

11月14日(月)  その2


大量の空売りが踏まれているので


売りも 買いもできない


日経平均が暴落するまで 幕間つなぎに

現場の話や アフター時代の出来事でも

ブログに書いていこうと思う、、、
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自己責任

11月14日(月)


空売りした
8175 ベスト電器は すこぶる元気で
上を目指している




現物で 34400株握っている
3250 AD ワークスは バーコードの王様






・・・・・・・
溜息をつこうにも、、
溜息も出ない、、、。゚(゚´Д`゚)゚。 
コンテントヘッダー

朝日新聞の記事より

11月12日(土) 


11月11日付けの朝日新聞の記事より




クレーム受け 車掌飛び降り




 人身事故でダイヤが乱れた近鉄奈良線の駅で
乗客に対応していた車掌が突然、高架線路から
飛び降りるという異例の事態があった。

                    朝日新聞の記事より


確かに飛び降りるという行為は 『異例』 かもしれないけど



『死にたい』 と考えるのはこの職業 (クレーム対応者) では
共通した考えで



実際に多くの人間が自ら 『命を絶った』 仕事に
従事していた私には


飛び降りた、、いや、、『飛び降りざる得なかった』 彼の


心の内を思うとき


涙が止まらない、、、



私は 元 住宅のアフター員だが



多くの人が 心を病み 退職していった



そして 何人かの人間が



自ら 命を絶った、、、



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気持ちはわかる、、、

11月11日(金) その2



気持ちはわかるシリーズ その1


2016年2月18日 午前2時


香川県において

パナソニックの修理部門のアフター員が
顧客宅に放火



気持ちはわかる、、




どの業界でも 放火は非常に多い

プロフィール

mi

Author:mi
元、大手ハウスメーカーのアフター員
現在、、無職。
空売りの鬼と化して、、、弱った企業を食い散らかしていたら。。。
いつの間にか、アベノミクスでボコボコに踏まれ、ベコベコになりました。
グゥゥゥゥーソー  反撃開始。

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